「フクロモモンガを家族に迎えたいけど、いったいいくらかかるんだろう」。お迎えを考え始めて最初にぶつかるのが、このお金の話だと思います。
僕は岡山でフクロモモンガのブリーダーをして6年。お問い合わせの中でも、いちばん多くいただくのが「お値段はどのくらいですか」「最初にどれくらい用意しておけば大丈夫ですか」というご質問です。
正直に言うと、この子たちの値段は、僕がブリーダーを始めた当時と今とでだいぶ変わっています。安いだけで選んでしまって後悔した方も、これまで何人も見てきました。
だから今回は、僕が実際にお迎えしてきた経験と、今お譲りしているリアルな価格を全部正直にお話しします。生体本体の値段、最初にそろえる初期費用、毎月かかるランニング費用、そして「安さで選ぶと後悔する理由」まで。読み終わるころには、「自分にもこの子と暮らせそうか」が、きっと自分の言葉で判断できるようになるはずです。
「いくらで飼えるの?」に最初に答えてしまうと
細かい話に入る前に、現実的な総額の感覚だけ先にお伝えします。
- 生体本体:カラーによって1万円台〜13万円ほど
- お迎え前にそろえる初期費用:ケージや小物一式で3万円〜6万円ほど
- 月々かかるランニング費用:1匹あたり5,000円〜15,000円ほど
つまり、最初の半年間で 10万〜20万円ほどを見ておくと安心 です。これは、余裕を持ってこの子と暮らせる金額の目安です。ここを準備しておくと、お迎え後の心配が一つ減ります。
「思ったより高いな」と感じた方もいるかもしれません。でも、この金額にはちゃんと理由があります。生体価格の幅が広いのは、カラー(毛色)・お迎えする場所・個体の状態の3つで決まるからです。
そして、ここからが大事なところで。値段の安さだけで決めると、あとから余計にお金がかかることが多い という現実があります。詳しくは後半でお話ししますね。
フクロモモンガの値段|カラー6種の相場(当時と今)
まず気になる、生体本体のお値段からです。フクロモモンガにはたくさんのカラーがあって、毛色によって値段がはっきり変わります。
ここからは、僕がブリーダーを始めた当時の値段と、現在お譲りしている値段を、全部正直に並べていきます。「あれ、思ってたより安いな」と感じるカラーもあるかもしれません。
ノーマル|いちばんスタンダードな子
もっとも一般的なグレーの毛色です。
- 当時:2万円〜2万5,000円
- 現在:1,000円台〜1万2,000円ほど
ここはここ数年でいちばん大きく値段が下がったカラーです。国内のブリーダーが増えたこと、ノーマルから生まれてくる子が多いことが理由です。「とにかくフクロモモンガと暮らしてみたい」という方にも入りやすい価格帯になりました。
モザイク|ノーマルに白がまだら状に入った子
ノーマルのグレーに、白い毛がパッチ状に混ざるカラーです。
- 当時:3万円〜4万円
- 現在:ほぼ変わらず3万円〜4万円ほど
モザイクは、白の入り方が一頭一頭違うので「同じ柄の子は二度と生まれない」と言われます。柄の出方を見て選ぶ楽しさがあるカラーですね。
リューシ(リューシスティック)|全身まっ白の子
全身が白くて、目が黒いのが特徴です。
- 当時:4万円〜5万円
- 現在:2万円〜4万円ほど
リューシも、当時に比べるとお迎えしやすくなりました。とはいえ、白系のカラーは遺伝の関係で生まれる確率が低いので、ノーマルやモザイクよりは高めです。
クリミノ|やわらかいクリーム色の子
白〜薄いクリーム色の、優しい雰囲気を持つカラーです。
- 当時:6万円〜6万5,000円
- 現在:4万円〜7万円ほど
クリミノは、お迎え先によって値段に幅が出やすいカラーです。同じカラーでも、毛のツヤや顔まわりのコントラストの出方で印象がだいぶ違うので、できれば実物を見て選ぶのがおすすめです。
プラチナ|銀色がかった気品のある子
淡いシルバーの毛色で、光に当たるとほんのり輝いて見える人気カラーです。
- 当時:7万円〜8万5,000円
- 現在:4万円〜7万円ほど
うちの家族にもプラチナの女の子がいて、最初はかなり気が強かったんですが、半年かけてベタ慣れになるまで関係を築けた、思い出深いカラーでもあります。プラチナはそのくらい個性が強い子が多いです。
ルビープラチナ|最高峰の希少カラー
プラチナの色味に、赤みのある目を持つレアなカラーです。
- 当時:10万円〜13万円
- 現在:8万円〜12万円ほど
もともと生まれる頭数が少ないので、価格は安定して高めです。ここまでくると、お迎えできるタイミングが限られるカラーになります。
ちょっと注意:ペットショップで見かける価格について
ここで正直にお伝えしておきたいことが一つあります。同じカラーでも、ペットショップで見かける価格は、ブリーダー直の2倍近くになるケースもあります。
これはペットショップを悪く言いたいわけではなくて、店舗の家賃や人件費、流通のコストが上乗せされるためで、構造的にそうなりやすいんですね。「安いカラーのはずなのに、表示価格が思ったより高い」と感じたら、ブリーダー直のお値段も一度比べてみるといいと思います。
お迎え前にそろえる初期費用(最低限これだけ)
生体本体の次に大事なのが、おうちにお迎えする前にそろえておきたい初期費用です。ここをケチると、お迎え後に「やっぱりこれも要るんだ」が連発します。
僕がお迎え時にお伝えしている「最低限これだけ」のリストはこちらです。
- ケージ(高さがしっかりあるもの)
- ポーチ・寝床(昼間ぐっすり眠るための隠れ家)
- ヒーター(保温必須、夜行性でも温度管理は欠かせません)
- 食器・給水ボトル
- 主食のペレット+副菜(果物・野菜・タンパク源)
- キャリー(お迎え時の移動・病院通院用)

ケージ|5千円から4万円までピンキリ、選ぶときの本音
ケージは、お店で見ると 5,000円〜40,000円 までほんとうにピンキリです。
選ぶときに大事なのは「広さ」より「高さ」です。フクロモモンガはもともと木の上で暮らす子なので、ジャンプして上下に動ける高さがないと、運動不足やストレスにつながります。
安いケージでもサイズと高さが合っていれば暮らせますが、扉のロックの強さや、すき間からの脱走しやすさは値段が出やすいところです。1万5,000円〜2万5,000円ほどの高さがあるタイプ を選ばれる方が多いです。
ポーチ・小物一式|合計1万〜3万円が目安
ケージの中で、昼間ぐっすり眠るためのポーチ(布の隠れ家)、保温用のヒーター、ステージ、食器、給水ボトル……このあたりの小物を一通りそろえると、合計1万円〜3万円ほど になります。
ポーチは複数あると安心です。洗い替え用が1〜2個あると、いつも清潔な状態でこの子を寝かせてあげられます。
初期費用全体としては、ケージ+小物一式で 3万円〜6万円ほど を見ておくと、お迎え当日に慌てません。
月々かかるお金のリアル(食費・通院・消耗品)
お迎えしてからの月々のお金の話です。ここは検索しても情報がバラバラで、何が本当の金額か分かりにくいところだと思います。
うちでお譲りした子たちのご家族からも実際に伺っていますが、1匹あたり月5,000円〜15,000円ほど が現実的な金額です。内訳はこんな感じです。
- 主食のペレット:月1,500円〜3,000円ほど
- 副菜(果物・野菜・タンパク源):月1,500円〜3,000円ほど
- おやつ・補助食品:月500円〜2,000円ほど
- 消耗品(ポーチの洗い替え・床材など):月500円〜1,500円ほど
- 爪切りなどの通院費用:月1,000円〜5,000円ほど(頻度による)
- 夜間の保温の電気代:冬場は月1,000円〜2,500円ほど上乗せ

こうやって並べると「思ったより通院費の幅が広いな」と感じるかもしれません。実はここが、安さで選んだ子と健康な子で いちばん差が出るところ なんです。
健康診断や爪切りで定期的に病院にかかる必要が出てくる子もいれば、ほとんど通院せずに過ごせる子もいます。その子の体質に合わないフードを使い続けると体調を崩すこともあり、結局は病院代がかさんでしまう、ということもあります。
その子に合うごはん選び、迷ったら
月々の食費は節約できる部分もありますが、その子の体質に合ったごはんを選んであげることが、長い目で見ると元気に過ごしてもらうことにつながります。ももラボでは、飼育の現場で食いつきと栄養バランスにこだわって手づくりしたフード「ペロメシ」をご用意しています。お迎え前の費用シミュレーションや、その子に合うごはん選びも、公式LINEから気軽にご相談ください。
値段だけで選ぶと後悔する4つの理由(僕の本音)
ここからは少し踏み込んだ話をします。お問い合わせを受けていて、「もう少し早く相談してくれていたら……」と感じる場面が、正直あるんです。
お迎えのご相談を受けていると、お迎え後に体調を崩した子のご相談を受けることがあります。具体的に、値段の安さで選ぶと後悔につながりやすいのは、次の4つのケースです。
1. 出どころがはっきりしない子(極端に安い個体)
明らかに相場より安い場合、どこでどう育ってきたかが追えない子であることがあります。出どころがはっきりしないと、この子がどう育ってきたか、親はどんな性格だったかが分かりません。
慣らしてからお渡しするブリーダーが手をかけた子は、お迎え時点でもう人と過ごす生活に慣れています。出どころが不明な子と、ここで明確に差がついてしまうんです。
2. 海外輸入個体(新しい環境への適応に時間がかかることがある)
海外から輸入された個体は、長距離輸送や検疫を経て日本に来ています。気候や食事の環境が日本とは違うので、新しい環境への適応に時間がかかる場合があります。
お迎え先で、その子がどこで生まれ育ったかまで確認できると、お迎え後の安心につながります。
3. 状態が良くない子(毛ヅヤ・下痢などのサイン)
お迎え前にこの子を実際に見てチェックしてほしいのが、毛ヅヤと、お腹まわり、便の状態です。
- 毛ヅヤ:パサついていないか、毛が抜けている場所がないか
- 体重:あばら骨が触ってわかるほど痩せていないか
- 便:下痢気味になっていないか
このあたりにサインが出ている子は、お迎え後すぐに体調を崩すリスクがあります。健康な子と並べて見ると違いがすぐ分かるので、複数のお迎え先で実物を比べるのもおすすめです。
4. 健康診断を受けていない子
これがいちばん大事です。お迎え先で健康診断を実施しているかどうかは、必ず聞いてください。
「うちでは毎週○曜日にお迎え前の健康チェックをしています」「動物病院と連携しています」と即答してもらえるところは、信頼できる候補です。逆に、健康診断について曖昧な説明しか返ってこない場合は、別のお迎え先も比較検討するのがおすすめです。
うちでも、お迎え前に体重・体長・健康状態を全頭チェックしてからお譲りしています。だからこそ、お迎え後の「あれ、思ったより元気がない」を最小限にできるんです。
じゃあ、どこでお迎えするのがいいの?
では、結局どこでお迎えするのがいちばん安心なんでしょうか。
お迎え先は大きく 専門ブリーダー・専門店・ペットショップ の3つに分かれます。それぞれにいいところがあるので、ご自身の状況に合わせて選んでもらえれば大丈夫です。
- 専門ブリーダー:価格は中〜抑えめ。1頭1頭の性格や親の系統まで把握していて、お迎え後のサポートも続きやすい
- 専門店:価格はやや高め。複数のカラーを実物比較しやすく、店舗のスタッフから飼育のレクチャーを受けやすい
- ペットショップ:価格はいちばん高め。お迎えのアクセスは良い。お店によってフクロモモンガに詳しいスタッフがいるかが変わるので、事前に確認できると安心
もしお近くで専門ブリーダーを探されるなら、僕が 赤磐市のフクロモモンガ専門ブリーダー|「販売」ではなく「お迎え」と呼ぶ理由と後悔しない判断基準 や フクロモモンガのブリーダーの選び方|岡山で後悔しない7つの基準 でくわしくお話ししているので、よかったらあわせて読んでみてください。
そもそも「自分にこの子を迎える生活が向いているのかな」と迷っている段階の方は、 フクロモモンガは初心者に向いている?向く人・向かない人を正直に解説 から先にどうぞ。
まとめ|お迎え後10年を一緒に過ごすための「お金の準備」
最後に、お迎え後の長い目線でのお金の話をさせてください。
フクロモモンガの寿命は、適切な飼育下で およそ8年〜10年 といわれています。だから、お迎えに必要なお金は「最初の出費」だけでは終わりません。一緒に暮らす全期間で見ると、こんなイメージになります。
- 初期費用:生体本体+お迎えセット一式で、5万円〜18万円ほど
- 月々費用:5,000円〜15,000円 × 12ヶ月 × 8〜10年 = 約50万円〜180万円
- トータル目安:1頭あたり 55万円〜200万円ほど
「思ったよりかかるな」と感じた方もいるかもしれません。でも、この金額は 10年間、毎日この子と一緒に暮らせる権利 だと思って読んでもらえると、見え方が変わるんじゃないかと思います。
そして、ここまで読んでくれた方なら気づいてもらえたかもしれませんが、トータル金額の差がつくのは、生体本体の値段の差じゃないんです。毎月の通院費・ペレットの良し悪し・10年続く食費 のほうがずっと大きく効いてきます。
だからこそ、最初に 健康な状態でお迎えできる子 を選ぶことが、長い目で見るといちばんの節約になります。これが、僕がいつも「価格ではなく、ちゃんと育ってきた子を選んでほしい」とお伝えしている理由です。
お迎え後にいちばん相談が増えるのが、人馴れと爪切りなどの飼育のお悩みです。あわせて フクロモモンガの飼い方|6年向き合ったブリーダーが、お迎え前に伝えたい基本と本当の姿 や フクロモモンガが懐かない?5つの原因と正しい接し方、 フクロモモンガの爪切り完全ガイド もよかったら覗いてみてください。
お迎え前のご相談、ひとりで抱え込まないでくださいね
「うちの予算ならどのカラーが現実的?」「住んでいるおうちの広さでもお迎えできる?」「先住のペットがいるけど大丈夫?」など、なんでもお話しください。お迎えにいたらないご相談だけでも、もちろん歓迎です。




